私は、政治において大切なことは「みんな」にとって、より良い世の中をつくっていくことだと考えています。そのためには、防災・交通・教育・医療・食の安全といった基盤整備をしっかりと行うことが大前提となります。しっかりとした基盤があるからこそ、「みんな」が安心して豊かな日常生活を送ることができます。
そこで大切になってくるのが「保守」という考え方です。「保守」を辞書で調べてみると、「昔からの伝統を守り、ものごとを急に改めることに反対すること」(三省堂国語辞典第七版)と書いてあります。なぜ昔からの伝統を守ることが大切なのか。それは、人間は間違いを犯しうる存在で、どんなに良い考えだと思っても、それはその人個人の思いつきにしか過ぎず、仮にその時は良くても時間が経ってから振り返ってみると、やらない方が良かったということが、人類の歴史をみてもよくあることだからです。伝統というものは、先人の様々な経験の中から、時の試練に耐えて生き残ってきた、洗練された智慧の結晶なのです。
しかし、伝統はただ守れば良い、というものでもありません。なぜなら、伝統を守ろうと思っても、世の中は絶えず変化しているため、従来通りのやり方では伝統を守れなくなるからです。だから、伝統を守るためには、先人が後世の私たちに伝えようとした精神の本質を理解しようと努め、変えてはならないものと、何をどのように変えるのかを慎重に見極めなければなりません。そうすることが結局は、安易な改革をすることよりも、早く確実に「みんな」にとって良い世の中をつくることになります。
「保守って、前例踏襲をしているだけでつまらない」というイメージをお持ちの方がおられるかもしれません。しかし、本当の保守とはその真逆で、凄まじい思考の格闘が自分の中や他者との間で常に繰り広げられており、活力にあふれています。しかも、そこに謙虚な姿勢も同居させなければなりません。私は保守を目指す政治家として、皆様おひとりおひとりから学ばせていただき、自分自身でも勉強し続けることをここに誓います。